これより、すべて2007年当時の記述です。
もくじ
6日目/モスタル、ドブロヴニク(2007年11月21日)
オレンジ色に染める空を左に見ながら、バスは南に向かう。
道路のすぐ横を流れる川は、ネレトバ川? あまりに美しいその川は、昇りたての朝の光が西の山を照らす姿を映している。
モスタルから乗車したバスは、ヴコヴァル〜ドブロヴニク間を走る線のようで、セルビアやボスニア・ヘルツェゴヴィナでもそうであったように、バスチケットには座席番号が記されているが、わたしの席にも子どもの席にも先客が座ってる。
「えっ? えっ?」 と思ってたら、運転手いわく 「空いてるところに座れ」
オフシーズンの時期だからかな? クロアチアに入ってからのバスはどれも、チケットに書かれてある座席指定番号は意味を持たなかった。
バスはまた一段と、よくなった。
よくなりすぎて、160cmのわたしには足置き(? あれって何ていう名前だ?)に足がとどかない。こんなに広いんやったら、鞄、預けやんかったらよかったなぁ。クソ、2KM払ってもたやん。
10時すぎ、バスはドブロヴニクに到着した。
あれ? モスタルからドブロヴニクって、4、5時間かかるんじゃなかったの? 3時間ちょっとで着いた。
途中のパスポートコントロールは、ここでも何も訊かれなかった。荷物チェックもない。
ドブロヴニクを1泊にしとくと、当初行きたいなぁと思っていたトロギール、シベニクにての泊まりがまだ可能。
ドブロヴニクで2泊すると、トロギール、シベニクの観光は諦めるしかない。
「どーする?」、「ドブロヴニクに着いたときの直感で決めよっか?」子どもたちとそう話してた。
降車すると、SOBEの客引きがすぐさま歩み寄ってきた。
トリプルの部屋が埋まってるか、持ち合わせてないのか。3人連れだとわかると、うち2人の客引きのおばちゃんは共にため息ついて残念がってて、残ったのはおじちゃんの客引き。
1人1泊、12.5ユーロ。3ベッド、シャワー、キッチン、冷蔵庫付き。
場所は旧市街地内じゃないので、そのぶん安い。3人の直感は一緒だった。そして会計係りのわたしは言う。
「2泊するから、まけて!」と、メモ帳に書かれた 12.5 の 「5」 の上に×をつけ「12ユーロ OK?」
交渉はすんなり成立。(あとでさらに安くしてくれた)
おっちゃんの車に乗って、高台にある宿へと向かった。
途中、 「くだもの買ってくるから、5分だけ待って」と、市場に寄りはったおっちゃん。10分? 15分? 買い物を終えて 戻ってくると、みかんを取り出し、わたしたちにくれた。
バスターミナルでおっちゃんの車に乗り込む前 (交渉時)、宿代はクーナ(クロアチア通貨)でやったらいくらになるか尋ねると、クーナで支払うほうが得やったから、ATMの前で、今度はわたしが「お金引き出すから停めて」っていうと(クロアチアに入国したとこで まだ現地通貨持ってなく)、
「そんなの後でえーえー。まずはゆっくりくつろいで下さいな」と言う。
宿付近に着いたとき娘が言った。「なんか瀬嵩(沖縄)んとこに似てるなぁ~、ここ」
おっちゃんの人柄も手伝ってか、たしかに似ている。時間が止まってるようだ。そして、あったかい。
娘は半袖だ。息子と私もジャケットだけ羽織り、タウン(旧市街)へと向かった。
それにしても、オスマン朝時代の影響が色濃く残る、オリエントの香り漂っていた昨日までの町並みから来ると、なんだか浦島太郎になった気分だ。
地中海の恵みを享け賜る、ここドブロヴニクは、陽光にあふれ煌めいている。『ようこそリゾートへ』 、クロアチア屈指の観光地がそういっている。
海がみえた。紺碧に澄むアドリア海だ。
身をのりだし真下を覗くと、花浅葱と翡翠の色が、波の白と戯れている。
腹が減っては なんとやら……。ピレ門前のレストランにて、まずは腹ごしらえ。
オープンカフェが機能してる。雪がないのっていいな(笑

ピレ門前のレストラン
ピレ門をくぐるとそこは旧市街で、旧市街を囲む城壁の上は遊歩道になってる。

城壁よりプラツァ通りを見下ろす

向こうに見る城壁が歩道になってる

空を舞う鳥
まずは城壁を歩いた。
鳥のように空中散歩をしてるみたい。

飛行機雲

城壁の歩道

要塞の小窓
が、しばらくして、こんなの何十年ぶり? いや、ここまでの痛みは初めてかも。。。頭がガンガンしてきた。
城壁を歩いて高山病にかかったか? てなわけないか? マチュピチュじゃあるまいにww
けど笑えない。頭痛はひどくなる一方で、口にはチャックがかかり、呼吸するのも辛くなってきた。
どこかの旅行記で 「この景色を見たら息が止まるよ」 って書いてあったけど、ほんまに息とまったんやろか? ほんで頭にきた?
宿に戻り、鎮痛剤飲んでダウン。あ~~、2泊にしといてよかったぁ~。
3時間ほどぐっすり寝たようで、時計をみると19時を少しまわってた。
薬が効いたか? 頭ん中に突如あらわれた怪獣はもういない。
けどまぁ、今夜は大事をとっておこう。晩飯は子どもたちに任せた。
長い長ーーーい階段を往復して(階段の上に宿、下にスーパーがある)、ふたりでスーパーに行き、ふたりで何やら作っている。
出来上がったのは、トマトスパゲティと、 あとスクランブルエッグ&ウィンナー。
トマトスパゲティは、めちゃくちゃマズかったけど、めーーーっちゃくちゃ美味しかった。ありがとう。

メインストリートへの長~~~い階段

料理中のふたり
費用、泊まった宿
― 泊まった宿 ―
BEGOVIC BOARDING HOUSE(トイレ・シャワー、キッチン、冷蔵庫付き)
― 旅の費用 ― * 1人分。1KM = 82円換算/1Kn = 21円換算。
バス (モスタル→ドブロヴニク) | 27KM(約2214円) | |
荷物預かり (上記のバス) | 2KM(約164円) | |
昼食(レストランにて) | 35Kn(約735円) | |
城壁巡り | 50Kn(約1050円) | |
夕食(スーパーにて) | 17.6Kn(約370円) | |
水(1.5リットル) | 5.45Kn(約114円) | |
宿泊(3人1部屋×2泊) | 400Kn (約8400円) | |
合計 | 13,047円 |